この記事では、「お控えください」と「ご遠慮ください」の違いを分かりやすく説明していきます。
「お控(ひか)えください」とは?
「お控えください」とは、相手へ自制を促し、やめるようお願いするときに用いられる敬語表現です。
「控える」に含まれる意味には以下の例があります。
・「度を越さないように、度数や分量などを少なめに抑える」や「節制する」
・「自制や配慮をして、やめておく」や「見合わせる」
・「順番や用事に備えて、近くの場所で待機する」
・「目立たないようにして傍にいる」
この「控える」を相手にお願いするときの敬語になおした表現が「お控えください」であり、直接的に訳すと「やめてください」という意味になります。
「お控えください」の使い方
「お控えください」は「携帯電話を使用するのはお控えください」などのように、相手へその行為をしないよう自制をお願いするときに使われています。
「ご遠慮(えんりょ)ください」とは?
「ご遠慮ください」とは、相手へ自制を促し、やめるようお願いするときに用いられる敬語表現です。
「遠慮する」に含まれる意味には以下の例があります。
・「人に対して、言動を慎み控えること」
・「辞退すること」や「ある場所から引き下がること」
・「遠い将来のことを考え、思慮を巡らせること」
この「遠慮する」を相手にお願いするときの敬語になおした表現が「ご遠慮ください」であり、直接的に訳すと「やめてください」という意味になります。
「ご遠慮ください」の使い方
「ご遠慮ください」は「関係者以外の入室はご遠慮ください」などのように、相手へその行為をしないよう自制をお願いするときに使われています。
「お控えください」と「ご遠慮ください」の違い
「お控えください」と「ご遠慮ください」はどちらも「やめてください」や「しないでください」などのように、相手へその行為をしないようお願いするときに使用される敬語表現です。
ただし、「ご遠慮ください」はもともと中国で使用されていた「漢語」であるのに対し、「お控えください」は日本で生まれた「和語」になります。
「漢語」はよりストレートに意味を伝えるときに用いられ、その漢語の意味をやわらかい表現に言い換えて用いられるのが「和語」です。
したがって、「お控えください」よりも「ご遠慮ください」のほうがより自制をお願いする意味合いが強い表現であると言えます。
まとめ
「お控えください」と「ご遠慮ください」はいずれも「やめてください」や「しないでください」という意味で使われる敬語表現です。
ただし、「ご遠慮ください」のほうがより強く相手へ自制を求める意味合いが含まれるということでした。