大きな会議や催し物などで、進行役を務めるのはとても気を遣うものです。
特に結婚式などの本人たちにはおそらく1度きりの場なので、失敗してしまうということは代々語り継がれる結果にもなりかねません。
失敗を恐れるあまり帰ってしどろもどろになってしまうことも少なくありません。
しかし、人によってはこのような場が好きで、何かにつけてやりたがる人もいます。
大抵は普段から社交的な人が多いのでうが、たまにこのような場面でしか実力を見せないという人もいます。
さて、ここで出てきた「務める」とはどういう意味でしょうか。
また、同音異字の「努める」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「務める」と「努める」の違いを分かりやすく説明していきます。
「務める」とは?
「務める」とは、文字通り「任務に当たる」ことです。
言い換えれば「何かの役目を果たす」と言っても良いでしょう。
通常は「名詞+を」を頭につけてその名詞の任務を果たすという具合に使用します。
英語では「serve」が近いですが使用方法には若干の違いがあります。
「努める」とは?
「努める」とは、文字通り「努力して行う」という意味の言葉です。
通常は前に「名詞+に」をつけて、その名詞に関して努力する意味で使われます。
また、「努めて」とい言い方をする時には副詞的に使われます。
英語では「make an effort」になるでしょう。
「務める」と「努める」の違い
「務める」と「努める」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、ともに「つとめる」と発音し、何かをやり遂げるという意味においては同じですが、根本的に意味が違います。
それは何を主眼に動くかが違うと言っても良いでしょう。
「務める」の場合は、それは「努力する」こと、あるいは「頑張って行う」ことです。
それに対して、「務める」は、「任務を果たす」ことに主眼が置かれ、どうやってという部分にはフォーカスされません。
「務める」の例文
「務める」の例文は以下のようになります。
・『自分が代表を務めるコミュニティのオフ会が開催されることになりました』
・『娘が今度幼稚園で行われる発表会で主役を務めることになりました』
「努める」の例文
「努める」の例文は以下のようになります。
・『彼女は失恋の痛手の中で努めて明るく振る舞っていました』
・『プロジェクトリーダーが中心となって課題の解決に努めることが重要です』
まとめ
この記事では、「務める」と「努める」の違いを、解説してきました。
序文では、大きな舞台での進行役に関するお話をしましたが、このような時に最も重要なのは、進行役が目立つことではありません。
どんなに高度な技術を持っていて、どんなに危機回避能力が高かったとしても、それをその場にいる人たちが感じてしまったら台無しです。
逆に言えば、そこで最も有用な進行役というのは主席者みんなが気づかない存在であることです。
それが可能な人は一握りでしょう。