人間は、誰しも過ちから逃れることはできません。
そのことは否定のしようがありません。
しかし、重要なのは、そのあとどうするかということです。
過ちを償うために何をするのか。
それが重要なのです。
ここで使用した言葉、「償う」とはどういう意味なのでしょうか。
また、同じような言葉として「贖う」もありますが、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「贖う」と「償う」の違いを分かりやすく説明していきます。
「贖う」とは?
「贖う」とは、「罪を許してもらう代わりに何かを提供する」ことです。
同じ意味として、「贖罪」という表現を用いることもできます。
特殊な用法としては、キリスト教において、イエスが、人間全ての罪を磔刑によって償ったことを指す言葉です。
日常会話において、使用されることは滅多にありません。
「購」という文字も使う場合も同じ発音で、同じ意味になります。
英語では、「compensate」が最も近いでしょう。
「償う」とは?
「償う」とは、「何かの代償として、何かをする、あるいは何かを提供する」ということです。
「罪を償う」ということ以外にも、「商品の代償としての代金」のような「罪」でない場合にも使用します。
かなり広いシチュエーションで使用な言葉で、日常会話でも使われます。
英語では、「make up」が近いシチェーションで使用される単語です。
「贖う」と「償う」の違い
「贖う」と「償う」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、共に「罪を許してもらうために行う行動や金品の提供」のことであるという部分では変わりません。
辞書に掲載されている内容もほぼ同じであり、多くの用法において、入れ替えても意味は変わらないことからも分かります。
違うのは、「償う」が、「贖う」に比べて使える範囲が広いということです。
特に、「贖う」は罪が重いケースに使われる場合が多いので、「償う」のように簡単には使用できません。
例えば、間違って足を踏んでしまったので、飲み物をあげて「償う」という言い方はできますが、ここで「贖う」は使えません。
「贖う」の例文
「贖う」の例文は以下のようになります。
・『罪を贖うのに、最も大事なのは、その人の思いの大きさです』
・『イエスは、人間の原罪を贖うために、あえて十字架にかけられました』
「償う」の例文
「償う」の例文は以下のようになります。
・『刑罰は、罪を償う方法として法律で決められているものです』
・『日々の怠慢を償うために、今日1日はなんでもいうことを聞きます』
まとめ
この記事では、「贖う」と「償う」の違いを、解説してきました。
序文でお話ししたように、過ちを償うことは、簡単ではありません。
そして、その行動が本当に正しいのかどうかも、自分で判断することはできないのです。
従って、常に自分と相手に問いかけ続けなければいけません。
そうすることによって、初めて、償いが成就するのです。