この記事では、「従順」と「柔順」の違いを分かりやすく説明していきます。
「従順」とは?
「従順」は「じゅうじゅん」と読みます。
「従」という漢字は、「あとからついてゆく」「つきしたがう」「したがえる」という意味を持っています。
「順」には「さからわない」「他の物の力にしたがう」「すなおである」「おとなしい」といった意味があります。
この2つの漢字から構成される「従順」は「性格、態度がものやわらかでやさしく、素直なこと」「素直で逆らわないこと」という意味になります。
「従順な部下」という使い方が一般的です。
「柔順」とは?
「柔順」も「じゅうじゅん」と読みます。
「柔」の字は、「やわらかいこと」「おとなしいこと」という意味を持っています。
そして「順」は前述したように、「さからわない」「他の物の力にしたがう」「すなおである」「おとなしい」という意味です。
「柔」と「順」で構成される「柔順」は、「性格、態度がものやわらかでやさしく、素直なこと」「素直で逆らわないこと」という意味があります。
これは前述した「従順」と全く同じ意味です。
「柔順な人」といった使い方をします。
「従順」と「柔順」の違い
「従順」と「柔順」の違いを説明します。
「従順」も「柔順」も「性格、態度がものやわらかでやさしく、素直なこと」「素直で逆らわないこと」という意味になります。
実は「従順」と「柔順」の意味にほとんど違いはありません。
ですが、そのニュアンスには若干の違いがあります。
「従順」は「従」という文字からも分かるように、「何かに従うという」ニュアンスが強い表現です。
「従順」を使えば「権限による命令または指示に、忠実に対応する」という印象になります。
一方で「柔順」は、「柔」の字からも分かるように「柔和な」というニュアンスの強い言葉です。
「柔順」は態度や振る舞いに険がなく落ち着きのあるように感じます。
「従順」の例文
・『すべてのものは、お金に従順だ』
・『日本人女性が従順で、いつも夫にしたがうというのは嘘です』
・『彼らが黙っているからといって従順だと解釈してはいけない』
・『親の言い付けに背かない従順な子供だった』
「柔順」の例文
・『あんな柔順なやつは珍しいくらいだったのだ』
・『娘が、柔順に尋常に会釈して』
・『猫が犬よりも人に愛せられないのは、犬のように柔順でないからである』
・『ただ透明な空気だけが柔順に伸縮しているだけである』
まとめ
以上が「従順」と「柔順」の違いになります。
「従順」も「柔順」も「性格、態度がものやわらかでやさしく、素直なこと」で意味は全く同じですが、ニュアンスが若干違います。
「従順」は権限による命令または指示に、忠実に対応する」という印象になる。
「柔順」は態度や振る舞いに険がなく落ち着きのあるように感じます。