「ホソバオケラ(サドオケラ)」はキク科オケラ属の多年草です。
主に薬草として利用される種で、その根茎は「蒼朮(そうじゅつ)」という生薬になります。
これはアトラクチロジン、セスキテルペン、ヒネソール、β-オイデスモールといった成分を含み、健胃、整腸、利尿といった効果を示すものです。
?苡仁湯(よくいにんとう)、平胃散(へいいさん)、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)などといった漢方薬に配合されています。
また「ホソバオケラ(サドオケラ)」の花は8〜10月に咲くもので、花の色は白が主。
一部淡いピンクや紫色のものもあります。
花の形は少々ユニークなもので、平たくしたネギの花のような、小さなウニのような、あるいは白い火花のような丸くとげとげしたものです。
さらに花はとげとげしい苞葉(ほうよう。
花を包む、葉が変化したもの)に守られているため、人によっては近づきがたい印象を受けることもあるでしょう。
「ホソバオケラ(サドオケラ)」の花言葉
「ホソバオケラ(サドオケラ)」の花言葉は「淡い思い出」です。
花言葉の由来は不明ですが、そのとげとげしい花からは想像しがたいような、ロマンチックな花言葉であると言えます。
また同じキク科オケラ属の仲間であり、本種とよく似た花を付けるオケラが「親しみやすい」というまったく異なる花言葉を持つことに鑑みるに、本種には「淡い思い出」と関係がある、何かしらの逸話やエピソードがある可能性が考えられるでしょう。
それはさておき、本種はあまり栽培されていないうえ、市場にもほとんど出回っていないことから贈り物とするには不向きです。
おまけに日本には分布しておらず、野で見て愛でるということも不可能でしょう。
どうしても本種の花の姿を拝みたいなら、品揃え豊富な山野草専門店で探せば見つかる可能性があります。
「ホソバオケラ(サドオケラ)」の豆知識
「ホソバオケラ(サドオケラ)」は中国の江蘇省、浙江省、安徽省などに分布します。
日本でもかつては佐渡島において盛んに栽培されており、それが「サドオケラ」の名の由来となったりもしましたが、今ではほとんど栽培されていません。
ゆえに本種から作る生薬は現在、ほぼ全量を中国からの輸入に頼っている状態です。
しかし日本における商業栽培の復活に向けた研究が行われています。
また春の若芽は、天ぷらやおひたしにして食べることが可能なのだそうです。
まとめ
「ホソバオケラ(サドオケラ)」はキク科の多年草です。
薬草の一種で、根茎からは「蒼朮(そうじゅつ)」という生薬が作られます。
また花は丸くとげとげしたもので、花の色は白、淡いピンク、紫色など。
花言葉は「淡い思い出」です。