「ひとえに言っても」とは?
使い方や言い換えなど、ビジネスでも使える言葉を分かりやすく解説していきます。
「ひとえに言っても」とは?
「ひとえに」は「偏に」と書きます。
「偏」という字は「偏(かたよ)る」という文字でも使用されるものです。
このことからも分かるとおり、「ひとえに」は「かたよった状態」を示す言葉です。
これが拡大解釈されて、一般的には「いちずに、ただただ、まったく」などの意味で使用されるのです。
たとえば「ひとえに皆様のおかげです」と表現した場合は、「皆様のおかげ」ということに偏っていることを示しています。
つまり、「ただただ皆様のおかげです」というニュアンスで使用できるのです。
「ひとえに言っても」の使い方や使われ方、使うときの注意点
それでは、「ひとえに言っても」の使い方にはどのようなものがあるでしょうか。
たとえば、あなたが昇格試験に挑戦することにしました。
その試験に向けては、部長がたくさん指導してくれました。
面接練習してくれ、審査書類をレビューしてくれたのです。
そしてあなたは、無事に昇格試験に合格したのでした。
このような場面では、部長の協力や指導に感謝の気持ちを込めて「ひとえに言っても部長のおかげです」と述べるとよいでしょう。
これにより、「ただただ部長のおかげである」と言うことを、慣用句を使って上手に言いかえできるのです。
この言葉を使用する場合の注意点は、「ひとえに」の使い方です。
「ひとえに~のおかげです」の使い方が一般的ですが、それ以外には使用場面が少ないのです。
「ひとえに~が原因です」などのように使っても誤りではありません。
しかし、「~のおかげ」で使う場合がほとんどと言えるでしょう。
「ひとえに言っても」を使った例文
ここでは、「ひとえに言っても」を使用した例文を挙げていきます。
「ひとえに」は他の用途でも使用できます。
しかし、例文のように「おかげ」と組み合わせると、非常に相性よく使用できると言えるのです。
・『ひとえに言っても皆様のおかげです』
・『合格できたのは、ひとえに言っても部長のおかげです』
・『それもこれも、ひとえに言っても皆様のご協力のおかげです』
「ひとえに言っても」の類語や言いかえ
それでは、「ひとえに言っても」を類語や言いかえるとどうなるでしょうか。
「ひとえに」
「ひとえに言っても」は「ひとえに」が類語と言えるでしょう。
これは「いっても」を省略しただけですが、こちらのほうが一般的に使用される形だと言えるでしょう。
「ひとえに申しても」
また、「ひとえに申しても」も「ひとえに言っても」の類語と言えるでしょう。
こちらは「言う」という動詞をへりくだった表現に言いかえることで、謙譲語の形にしています。
まとめ
このように、「ひとえに言っても」は「ただただ」や「まったくもって」などを意味するフレーズです。
「おかげです」と組わせて使用すると非常に相性のよいものなので、セットでおぼえておくとよいでしょう。